近年証券口座を持つ人が増えている中、買い付け手数料が安い投資信託やETFが注目されているのをご存じですか?
一口にETFと言っても様々な種類があり、東京証券取引所などで上場している国内ETFや米国や中国などの取引所で上場している海外ETFがあります。
そこで今回は、
- ETFの特徴
- それぞれのETFについてどのような違いがあるのか?
- 海外ETFの中でもなぜ米国ETFがおすすめなのか?
以上について詳しく解説していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
そもそもETFとは?
改めてETFと聞くと難しく感じるかもしれませんが、簡単に「上場投資信託」とも呼ばれます。
ETFは、特定の指数の動きに連動するように設計された投資信託です。例えば日本であれば日経平均や東証株価指数(TOPIX)、米国であればNYダウやS&P500などが当てはまります。

ETFはたくさんのメリットがあるんですよ。例えば、取引手数料が安い、信託報酬が安い、リアルタイムで売買ができる、少額で分散投資が可能、値段を指定して取引を行う指値取引が可能、など様々です。
- 取引手数料が安い
- 信託報酬が安い
- リアルタイムで売買ができる
- 少額で分散投資が可能
- 値段を指定して取引を行う指値取引が可能
まずはそれぞれ見ていきましょう!
取引手数料が安い
ETFはなんといっても取引手数料が安いことが特徴です。取引手数料とは言葉の通り、ETFを証券会社から買い付けた時に発生する手数料のことで、投資家として運用するなら安いに越したことはありません。
この取引手数料ですが、近年は大手のネット証券会社同士の値下げ合戦により、「取引手数料無料」を謳った証券会社も増えてきています。僕たち投資家にとって嬉しい限りですね。
楽天証券は、業界最多の国内ETF101銘柄、米国ETF9銘柄が取引手数料無料になっています。米国ETFの中で初心者にもオススメできる「VOO」「VTI」なども取引手数料無料の銘柄に含まれていますので、運用に掛かるコストを極力抑えて資産を増やしていくことができます。
下記は楽天証券で取引可能な米国ETFです。
ティッカー | 銘柄名 |
VT | バンガード・トータル・ワールド・ストック・ETF |
VOO | バンガード・S&P500・ETF |
VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケット・ETF |
SPY | SPDR・S&P500ETF |
RWR | SPDR・ダウ・ジョーンズREIT・ETF |
GLDM | SPDR・ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト |
GDAT | GS・Motifデータイノベーション・ETF |
GDNA | GS・Motifヘルスケアイノベーション・ETF |
GFIN | GS・Motif金融イノベーション・ETF |
ちなみに、「特定口座」「一般口座」「NISA口座」すべてで取引が可能です。
また、楽天証券だけではなくSBI証券でも国内ETF(現物取引)で97銘柄、国内ETF(信用取引)の場合はすべてのETFが取引手数料無料に含まれています。
楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | |
国内ETF(現物取引) | 101 | 97 | 3 |
国内ETF(信用取引) | すべてのETF | すべてのETF | すべてのETF |
信託報酬が安い
続いてETFの特徴として、信託報酬が安いことがあげられます。
信託報酬が安いことがETFの最大の魅力であり、インデックスファンドと比べても相違はありません。
信託報酬とは、投資信託を運用管理するために必要な費用で、投資信託を保有している間はずっと掛かる費用でもあります。
取引手数料同様に運用に掛かるコストのため長期で商品を保有し増やしていきたいのであれば、信託報酬も必ず確認しておきたいところです。
例えば、信託報酬が1%のETFを100万円分購入したとすると、税金を含まずに計算したとしても1年間で1万円が維持費として掛かることになります。リターンが同じETFや投資信託であっても、この信託報酬次第でパフォーマンスがかなり変わってくるので、できるだけ信託報酬が低いインデックスファンドやETFを選びましょう。
ETF自体の信託報酬も安いですがその中でもダントツに安いのはVOOです。なんと信託報酬は年率0.03%と超低水準です。例えば、このVOOを100万円分購入したとしても1年間でたったの300円しか掛からない計算になります。
下記は、ETFの中でも信託報酬が低水準で運用パフォーマンスが高いものを簡単にまとめたものです。
例:100万円分購入し1年間保有したときに掛かる信託報酬のコスト
信託報酬 | 年間コスト | |
VOO(バンガード・S&P500ETF) | 0.03% | 300円 |
SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF) | 0.07% | 700円 |
VYM(バンガード米国高配当株式ETF) | 0.06% | 600円 |

米国ETF高配当ETFについてまとめた記事もありますので気になった方はこちらもチェックしてみてください。
投資初心者にとってどの口座でどんな商品を購入していいかわからないですよね。米国?高配当?ETF?全然難しく考えなくても大丈夫!どれも投資をするうえで重要であり、なおかつ魅力がたくさん詰まったキーワード[…]
リアルタイムで売買ができる
ETFの特徴として、リアルタイムでいつでも売買することができます。これはどうゆうことかというと、例えばインデックスファンドの場合は1日に1回算出される基準価格で1日に1回しか取引できないのに対し、ETFは証券取引所が開いている時間帯(平日の9:30~11:30、12:30~15:00)の間であれば何回でもETFの売買ができます。
ちなみに、自分が買いたいETFをいくらで買うか?を指定することもできます。いわゆる指値取引ですね。また、株価の相場を見ながらリアルタイムで売買することも可能ですよ。
証券取引所が開いている時間帯は限られていますが、仕事で夜の空いている時間帯でしか取引できない人には、夜間取引にも対応しているSBI証券がおすすめです!
少額で分散投資が可能
例えば僕たち個人で、日経平均やS&P500といった指数に連動した商品を買い日本全体あるいはアメリカ全体に投資しようなると数億円規模の資金が必要になるわけです。
ですが、ETFやインデックスファンドは個人で投資した額がどんなに少なくても、運用している人の数が多いのでまとまった資金を集めることができ、その資金で世界全体あるいはアメリカ全体に分散して投資することが可能なんですよ。
日本の個別株でもアメリカの個別株でも、基本的には100株単位でしか買い付けることができません。例えば、1株1万円の企業の株主になろうとした場合は100万円が必要になります。

しかし、ETFやインデックスファンドは1株単位から買い付けることができるので100円単位もしくは1000円で買い付けることも可能になります。
S&P500に連動したETFのVOOを買い付けた場合は、なんと1つで400銘柄に分散投資できたことになり、実質アメリカ全体を買ったことと同じになります。
分散投資ができたといってもアメリカ全体や日本全体に投資できただけでは完全なるリスク分散とは言えないので、セクター別にETFのポートフォリオを組むこともリスク分散につながりますよ。
ですが、長期的に見た場合アメリカ全体または、世界の株式は成長してきているので、ETFを選ぶのであれば、
- 世界全体に分散されたETF
- 米国全体に分散されたETF
の以上を選んでおけば間違いないと僕は思います!
値段を指定して取引を行う指値取引が可能
ETFは株式同様に値段を指定して取引を行う指値取引が可能になっています。
この指値取引を簡単に説明すると、自分の希望する売買価格(買い注文は上限価格・売り注文は下限価格)を指定して取引をすることをいいます。
例えば、ETFを購入するときに、「○○円で100株買いたい・売りたい」など指値注文した場合、買い注文は指定した値段以下の売り注文があれば約定でき、売り注文は指定した値段以上の買い注文があれば約定できます。
指値注文の他には、成行注文と呼ばれるものがあり、「いくらでもいいから買いたい・売りたい」といった値段を指定しない注文方法を成行注文と呼びます。
ETFは指値注文を選ぶことによって、自分の予想以上の値段で買ってしまったり、予想以下の値段で売ってしまったりする可能性を防ぐことができます。
国内ETFと海外ETFの違いは?
国内ETFと海外ETFの違いは、円で投資するのか、はたまた外貨で投資するのか、日本の取引所か海外の取引所かということになります。
大きな違いとしてあげられるのが為替リスクです。
為替リスクの有無
海外ETFでも日本国内に居ながらスマホ1つで簡単に投資できてしまうわけですが、海外ETFを買い付ける場合は必ず発生するのは為替手数料です。
例えば、海外のETF(米国ETF)を買い付けるとします。米国ということはドルでの取引になるため、円からドルに換えなければなりません。そこで証券会社や銀行を介して為替手続きを行うと手数料が発生してしまうわけです。
ちなみに、投資先の中身が米国などの海外だとしても円建てで買い付けることもできますが、結果的には為替の影響を受けその都度コストを払うことになるため、外貨で取引することをおすすめします。
大手メガバンクでの為替手数料は、1ドルあたり約3円程掛かってしまいます。ネット証券の楽天証券やSBI証券であれば為替手数料を1ドル25銭に抑えることができるので非常におすすめです。
さらに為替手数料を抑えたい方は、住信SBIネット銀行で円からドルに換え、SBI証券で外貨入金して米国ETFを買い付ける方法だと1ドル4銭で取引ができるので一番最強です。SBI証券と住信SBIネット銀行の連携ですね!
投資をするにあたってやはり運用に掛かるコストを極力抑えることが資産運用のパフォーマンス向上にことにつ繋がりますからね。

為替手数料のコストを考えると、海外のETFは積み立てには向いてないんだね。
- 大きな金額での取引はETF、
- 少ない金額での積み立て購入したい方はインデックスファンド
と覚えておきましょうね。
そしてもう1つ覚えてほしいのは、米国ETFを買い付ける絶好のタイミングは「円高ドル安」だということです。
くれぐれも「円安ドル高」のタイミングで買ってしまわないように。
米国ETFを買い付けるということは円からドルに換える作業が出てきます。円高ドル安がいい理由は、円の価値が上がっているわけですから、少ない円の値段で多くのドルが買えるということです。反対に米国ETFを売却するときは、円安ドル高がいいと言えますね。
為替の例 | 円高ドル安 | 円安ドル高 |
1ドルあたり | 80円 | 120円 |
- 米国ETFの買い付けのタイミングは「円高ドル安」
- 米国ETFの売却のタイミングは「円安ドル高」
と覚えておきましょうね!
なぜ海外ETFの中でも米国ETFなのか?
世界には日本だけではなくさまざまな国の証券取引所に上場しているETFも存在しています。
例えば、単一振興諸国の指数に連動する
- ブラジル株ETF
- ロシア株ETF
- インド株ETF
- 韓国株ETF
中国や香港の株価指数に連動する
- 中国株ETF
また、
- ヨーロッパ株ETF
- アジア株ETF
- 米国ETF
などさまざまです。
その中でも最もオススメするのは、米国ETFすなわちアメリカに投資することです。
なぜ、米国ETFを選ぶかというと長期的に見た場合暴落を繰り返しながらも、確実に成長しているからです。
まずは、こちらを見てください。
こちらのチャートは1930年から2020年の現在までをNYダウの株価チャートです。
NYダウの正式名称は「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」で世界でもっとも有名な米国株式市場の動きに反映する指数で、大手上場企業30銘柄で構成されています。
1930年から2019年までを見るとおよそ666倍に成長していることがわかります。

さいごに
基本的なETFの特徴と国内ETFと海外ETFの違いについてお分かりいただけたでしょうか?
まずは、ETFの特徴5つをおさらいしましょう。
- 取引手数料が安い
- 信託報酬が安い
- リアルタイムで売買ができる
- 少額で分散投資が可能
- 値段を指定して取引を行う指値取引が可能
ETFは、取引手数料や信託報酬などのコストが安いので長期に渡って運用したい方や利益に対して非課税のNISA口座での運用もおすすめです。また、リアルタイムで取引できたり、ETF1つで広く分散されているので、リスクヘッジにもつながります。
国内ETFと海外ETFの違いについては1つのポイントを押さえれば大丈夫です。
- 為替リスクの有無
為替リスクの有無に関しましては、海外のETFを買い付ける場合発生するのは為替手数料です。海外のETFは円で積み立てることもできますが、結果為替の影響を受けることにより、その都度コストが掛かるので、やはりネット証券会社を活用して為替手数料をできるだけ安く抑えることが資産運用のパフォーマンスを上げることにつながると思います。ネット証券の中でもオススメは「楽天証券」と「SBI証券」ですよ。
さいごに、この記事の本題でもある、海外ETFの中でも米国ETFを選ぶポイントをおさらいしましょう。
- 人口が多いため経済規模が大きい
- 先進国の技術を取り入れているため今後更に成長していくことが見込める
- 1930年から2019年までを見るとおよそ666倍に成長している
将来を見据えた時に、米国の経済は今後も伸びていくと信じてますので、僕は米国ETFをメインにNISA口座で運用しています。
今回説明したポイントを押さえて、資産運用のパフォーマンスをみんなであげていきましょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございます!