iDeCoの拠出額に影響する確定給付企業年金と確定拠出年金の違いとは?

ゆたんぽ
こんにちは、ゆたんぽです!

今回は、iDeCoの拠出額にも影響する確定給付企業年金と確定拠出年金の違いについて説明していきます。

確定給付企業年金とは?

確定給付企業年金とは現在日本でもっとも多く利用されている企業年金制度で、企業で働く私たちが年金として受け取る給付額をあらかじめ約束されています。

企業が年金資産を一括して運用するもので、将来受け取る給付額は保証されています。また、運用時のリスクはすべて企業が負い、運用結果が悪い場合は企業が補填してくれます。

 

  • 企業がすべて運用する
  • 企業が運用リスクを負い、不足分は補填してくれる
  • 将来受け取る給付額は保証されている

 

ぽめこ
確定給付企業年金はDBとも呼ばれるよ。

確定拠出年金とは?

確定給付企業年金は企業が運用するのに対し、確定拠出年金は会社が掛け金を拠出し従業員が運用方針にあった商品を自分で選び運用していく制度です。
運用している商品の価値が下がってもすべて自己責任で企業は負担してくれないため、どんな商品で運用していくかが非常に重要になってきます。
ぽめこ
「拠出」という意味は、お金を出し合って特定の目的に用いることだよ。ここで言う特定の目的とは、将来受け取る年金を自分で運用することを指すよ。
確定拠出年金には企業で運用する(DC)自分で証券会社を選び運用する(iDeCo)の2種類があります。
企業型確定拠出年金(DC)は会社に勤務している人が対象で、各企業のルールに基づいて拠出し企業が掛金を負担します。
一方、個人型確定拠出年金(iDeCo)は自分で証券会社や毎月の掛金を決め、年末調整や確定申告により掛金が全額所得税控除の対象になります。
例えば自営業の場合は毎月68,000円で年間最大81万6,000円拠出することができますので、年収が330万円~695万円の場合、所得税20%・住民税10%計30%が課税されるため、計算すると本来税金で引かれるはずだった24万4,800円が手元に残る計算になります。
正直この金額はかなりデカいです。節約しても24万円を浮かすのは難しいですよね。
せっかくの所得税控除を無駄にしないためにも、年末調整や確定申告でいくら拠出したかを提出し忘れないように注意してくださいね。
また、確定拠出年金はNISA同様に、運用益に対して非課税というメリットがあります。
一般的に証券会社の口座で株や投資信託などの商品を保有すると、運用益に対し20.315%課税されますが、確定拠出年金は運用益に対して非課税で運用し利益をそのまま受け取ることができます。
ゆたんぽ
NISAだけじゃなくて確定拠出年金も運用益に対して非課税なんだね!
  • 自分で運用する商品を選んで自分で運用する
  • 商品の価値が下がっても自己責任
  • 企業型のDCと個人型のiDeCoがある
  • 運用益に対して非課税
  • 所得税が控除される

 

確定給付企業年金と確定拠出年金の違い

次は確定給付企業年金と確定拠出年金の違いについて簡単に表で解説します。

確定給付企業年金確定拠出年金
運用スタイル企業で運用自分で運用
給付額・拠出額給付額が先に決まる拠出額を先に決める
リスク会社が負う自己責任
税金雑所得とみなされ課税対象非課税で運用

 

確定給付企業年金に加入していた場合、確定拠出年金の拠出額が変わる?

確定拠出年金には、職業や勤務している企業での確定給付企業年金制度の加入の有無によって拠出上限額が変わってくるので注意が必要です。

例えば、第一号被保険者の自営業やフリーランスの場合は一番多く拠出することができ月額68,000円、年間で81万6,000円拠出することができます。自営業がなぜ拠出額が高く設定されているかというと、公的年金のうち国民年金にしか加入していないので、サラリーマンに比べて将来受け取る年金の不足分を確定拠出年金で補うために高めに設定されています。

フリーランスと言っても企業に勤めており副業としてやっている場合は第二被保険者に含まれるので、81万6,000円は拠出することができません。

 

第二号被保険者サラリーマンや公務員で企業年金がない場合は月額23,000円、年間で27万6,000円となります。反対に企業年金がある場合すなわち確定給付企業年金がある場合は月額12,000円~20,000円で年間14万4,000円~24万円が拠出可能額になります。

月額12,000円と20,000円で変わってくる理由は、一般的には企業型確定拠出年金(DC)にのみ加入している場合は20,000円で、企業型確定拠出年金(DC)と企業年金の両方に加入している場合は12,000円までiDeCoで拠出できることになっていますが、企業によって規約が違うためやはり確認が必要になってきます。

公務員は、企業年金があるないに関わらず月額12,000円、年間で14万円と定められています。

 

第三号被保険者は、第二号被保険者の被扶養配偶者と位置付けられるので、主婦などがあげられますね。この場合は月額23,000円、年間で27万6,000円拠出することができます。

 

拠出できる金額が多いに越したことはないですが、確定給付企業年金の有無によって金額が変わるので、お勤めの会社に企業年金があるのか、現在加入していないかを確認してみてくださいね。

加入対象第一号被保険者第二号被保険者第三号被保険者
フリーランスや自営業企業の従業員公務員主婦など
月の拠出限度額68,000円企業年金なし
23,000円
企業年金あり
12,000円~20,000円
12,000円23,000円
年間の拠出限度額81万6,000円企業年金なし
27万6,000円
企業年金あり
14万4,000円~24万円
14万円27万6,000円

 

さいごに

今回は、確定給付企業年金と確定拠出年金の違いから、iDeCoで拠出できる限度額について解説しました。

おさらいです。確定給付企業年金のポイントは以下になります。

  • 会社がすべて運用する
  • 企業が運用リスクを負い、不足分は補填してくれる
  • 将来受け取る給付額は保証されている

次に、確定拠出年金のポイントです。

  • 自分で運用する商品を選んで自分で運用する
  • 商品の価値が下がっても自己責任
  • 企業型のDCと個人型のiDeCoがある
  • 運用益に対して非課税
  • 所得税が控除される

確定給付企業年金の加入の有無でiDeCoの拠出限度額が変わってくるので、今一度iDeCoを始める方はお勤めの会社に企業年金について確認してみてください。非課税で運用できるのはNISAだけではないので、iDeCoの拠出限度額をいっぱい使って資産をお得に増やしていきましょうね。

最後まで読んでいただきありがとうございます!