今回は、iDeCoの拠出額にも影響する確定給付企業年金と確定拠出年金の違いについて説明していきます。
確定給付企業年金とは?
確定給付企業年金とは現在日本でもっとも多く利用されている企業年金制度で、企業で働く私たちが年金として受け取る給付額をあらかじめ約束されています。
企業が年金資産を一括して運用するもので、将来受け取る給付額は保証されています。また、運用時のリスクはすべて企業が負い、運用結果が悪い場合は企業が補填してくれます。
- 企業がすべて運用する
- 企業が運用リスクを負い、不足分は補填してくれる
- 将来受け取る給付額は保証されている
確定拠出年金とは?

- 自分で運用する商品を選んで自分で運用する
- 商品の価値が下がっても自己責任
- 企業型のDCと個人型のiDeCoがある
- 運用益に対して非課税
- 所得税が控除される
確定給付企業年金と確定拠出年金の違い
次は確定給付企業年金と確定拠出年金の違いについて簡単に表で解説します。
確定給付企業年金 | 確定拠出年金 | |
運用スタイル | 企業で運用 | 自分で運用 |
給付額・拠出額 | 給付額が先に決まる | 拠出額を先に決める |
リスク | 会社が負う | 自己責任 |
税金 | 雑所得とみなされ課税対象 | 非課税で運用 |
確定給付企業年金に加入していた場合、確定拠出年金の拠出額が変わる?
確定拠出年金には、職業や勤務している企業での確定給付企業年金制度の加入の有無によって拠出上限額が変わってくるので注意が必要です。
例えば、第一号被保険者の自営業やフリーランスの場合は一番多く拠出することができ月額68,000円、年間で81万6,000円拠出することができます。自営業がなぜ拠出額が高く設定されているかというと、公的年金のうち国民年金にしか加入していないので、サラリーマンに比べて将来受け取る年金の不足分を確定拠出年金で補うために高めに設定されています。
フリーランスと言っても企業に勤めており副業としてやっている場合は第二被保険者に含まれるので、81万6,000円は拠出することができません。
第二号被保険者サラリーマンや公務員で企業年金がない場合は月額23,000円、年間で27万6,000円となります。反対に企業年金がある場合すなわち確定給付企業年金がある場合は月額12,000円~20,000円で年間14万4,000円~24万円が拠出可能額になります。
月額12,000円と20,000円で変わってくる理由は、一般的には企業型確定拠出年金(DC)にのみ加入している場合は20,000円で、企業型確定拠出年金(DC)と企業年金の両方に加入している場合は12,000円までiDeCoで拠出できることになっていますが、企業によって規約が違うためやはり確認が必要になってきます。
公務員は、企業年金があるないに関わらず月額12,000円、年間で14万円と定められています。
第三号被保険者は、第二号被保険者の被扶養配偶者と位置付けられるので、主婦などがあげられますね。この場合は月額23,000円、年間で27万6,000円拠出することができます。
拠出できる金額が多いに越したことはないですが、確定給付企業年金の有無によって金額が変わるので、お勤めの会社に企業年金があるのか、現在加入していないかを確認してみてくださいね。
加入対象 | 第一号被保険者 | 第二号被保険者 | 第三号被保険者 | |
フリーランスや自営業 | 企業の従業員 | 公務員 | 主婦など | |
月の拠出限度額 | 68,000円 | 企業年金なし 23,000円 企業年金あり 12,000円~20,000円 | 12,000円 | 23,000円 |
年間の拠出限度額 | 81万6,000円 | 企業年金なし 27万6,000円 企業年金あり 14万4,000円~24万円 | 14万円 | 27万6,000円 |
さいごに
今回は、確定給付企業年金と確定拠出年金の違いから、iDeCoで拠出できる限度額について解説しました。
おさらいです。確定給付企業年金のポイントは以下になります。
- 会社がすべて運用する
- 企業が運用リスクを負い、不足分は補填してくれる
- 将来受け取る給付額は保証されている
次に、確定拠出年金のポイントです。
- 自分で運用する商品を選んで自分で運用する
- 商品の価値が下がっても自己責任
- 企業型のDCと個人型のiDeCoがある
- 運用益に対して非課税
- 所得税が控除される
確定給付企業年金の加入の有無でiDeCoの拠出限度額が変わってくるので、今一度iDeCoを始める方はお勤めの会社に企業年金について確認してみてください。非課税で運用できるのはNISAだけではないので、iDeCoの拠出限度額をいっぱい使って資産をお得に増やしていきましょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございます!